時刻表はエンターテイメント
乗換BIG4インタビュー 三上編vol.3
駅すぱあとのヴァル研究所が誇る鉄道ファン、乗換BIG4こと三上、鈴木、廣戸、夏目のインタビューをお送りします。
PROFILE
乗換BIG4:三上(みかみ)
ヴァル研究所コンテンツ開発部所属。1つのジャンルにとどまらないがあえて言うなら「乗り鉄」。鉄道を含めた公共交通の知識の幅広さは、社内随一である。
——三上さんは、秘境駅など、あまり人の来ない場所がお好きだとのことですが、もし無人島に行くとして、鉄道関連のものを何か一つ持っていくとしたら、何がいいですか?
三上:そうですね……。時刻表ですかね。
——時刻表!? 無人島じゃ使えないじゃないですか!
三上:それは分かっていますけれど、時刻表は読み物ですから。
——そんな、「麻婆豆腐は飲み物です」みたいに言われても…。
三上:いやいや、多くの鉄道マニアにとって、時刻表はエンターテインメント作品なんですよ。
——すいません。どういう読み方をすれば、エンターテインメントとして楽しめるんでしょうか。
三上:例えばですね、さくらっていう新幹線がありますよね。時刻表を見ていると、さくらを抜くさくらっていうのが時々見つかるんです。
——つまり、早く出発したはずのさくらが、後から出たさくらよりも到着が遅いってことですか。
三上:そういうことです。さくらが停車している間に、別のさくらが追い抜くんですよ。いつもではなくて臨時ですが、そういうトリック的なダイヤが存在するんですよね。そういうのを見つけると、「乗ってみたい」とか「見てみたい」って気持ちになりますよ。
さくらに抜かれるさくら
——なるほど。時刻表を読んでモチベーションを上げるという発想は、ありませんでした!ところで三上さんは時刻表を買って、最初にどこを読みますか?
三上:まず黄色いページを読みますね。ここには今月のトピックスが載ってます。
——トピックスって例えば何ですか?
三上:ここで工事がありますよ、とか。
——あ、はあ。
三上:ダイヤ改正がありますよ、とか。
——ええ。……。
三上:……。
——次に読むのは?
三上:巻頭のカラー特集ですね。月ごとに旅行のテーマがあって、それに沿った路線や名所の紹介記事などが載ってます。「この駅にはこんなものがあるよ」とか、意外と知らない豆知識みたいなものをここで発見するのが楽しいですね。
——そうなんですね。あの実際のダイヤが載っているページを、隅から隅まで読むことはありますか?
三上:さすがにそれはないですね。ですからダイヤのページは、今度の休みの旅行の計画を立てる時などに、必要に応じて読みますね。当てはまる路線の時刻表を眺めて、「この列車はこの駅で長時間停車するから、一旦降りて駅の外に出て遊べるかな」とか、考えています。もし、本当に何もやることがなければ、隅から隅まで読みはじめるかもしれません。だから、無人島に時刻表を持っていくのは正解だと思いますね。
(vol.4へつづく)