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よくわかる運賃計算 その1(切符経路の3大原則)

よくわかる運賃計算 その1(切符経路の3大原則)

※社員ブログからの転載です。内容は掲載時のものになります。

こんにちは、スーです。

みなさん夏休みはいかがお過ごしでしょうか?

台風が直撃したこともあり大変なお盆でしたが、私はとても有意義な休みを過ごしておりました(詳しくは次回)。

さて、今回も運賃計算のお話です。

前回、運賃計算には特例がつきものというお話をしましたが、それを理解するためには特例のない状態、すなわち一番基本となるルールを抑えなければなりません。

ということで今回は、そんな切符経路の3大原則について解説したいと思います。

ちなみに3大原則と言ったのは私です。よのなか大体3大にすればなんとかなります。

なお、この原則はあくまでもJRの場合を基準としています。他の事業者の場合も同じルールであることが多いですが、細かな点で異なる場合もありますのでご了承ください。

 

原則1. 乗車する経路で計算

日本の鉄道では、多くの場合乗車する距離によって運賃が決まります。

このため、同じ出発駅、到着駅となる切符であっても、途中の経路によって運賃が異なります。

例えば、国府津(こうづ)から沼津まで行く切符を購入するとき、東海道本線経由で行く場合と御殿場線経由の場合とでは、運賃が異なります。

 

原則2. 1周したら終了

切符の乗車経路は基本的に自由に設定することができますが、すでに通った駅を2回訪れると打ち切りになります。つまり、1周するような経路(環状線)が生まれると、それ以上先に経路を伸ばすことができなくなります。

国府津から東海道本線で沼津まで行き、さらに御殿場線に入って国府津方面に戻る経路をたどって1周する「国府津から国府津」という切符は購入することができます(0の字型と呼ばれることがあります)。

しかし、さらにその先の駅に行くような切符は購入することができません(もしそのように乗車したい場合は、2枚目の切符を購入することになります)。

ちなみに、あくまでも同じ駅に到達した時点で打ち切りになりますので、0の字型ような完全な環状経路でなくても、出発駅をもう少し遠くにして「平塚から国府津(沼津経由)」のような切符も購入することができます(こちらは6の字型と呼ばれることがあります)。

 

原則3. 折り返し禁止

今たどってきた経路を折り返し、逆方向に進むことはできません。

東海道本線を熱海から沼津まで乗車し、さらに逆方向(三島方面)に戻るような切符は購入できません。

以上が切符経路の3大原則です。

折り返し禁止はそりゃそうだよなという感じですが、発着駅が同じ切符が購入できるというのは意外に思われる方も多いのではないでしょうか。

また、「原則1は違うんじゃないか、一番安い経路で計算するんじゃないのか」と思われる方もいるかもしれませんが、実はそれはある有名な特例の1つであり、原則は乗車経路の通りに計算を行います。

(ちなみに、わざわざ都心から外れたところを例に挙げたのも、特例がない場所を探し求めた結果だったりします。そのくらい世の中特例だらけです)

この原則(と数多ある特例)に従っていれば、ものすごく長い経路の切符を購入することができます。

その最たるものが最長片道切符と呼ばれるもので、全国のJR線をあっちやこっちやそっちやどっちに蛇行しつつ、なんと約12000km(!!)にも及ぶ最も長い距離を辿る片道乗車券です。

2004年にテレビの旅番組で長期間特集されていたので、これでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか(ああ、あの番組もう10年前なのかあ……)。

詳しく知りたい方は「最長片道切符」でぐぐってみてください。

さて、私も乗り鉄の端くれとして最長片道切符で旅することは憧れでもあるのですが、実際のところは大量の金と時間がないと厳しく、現実的にはとても難しいのであります……。

ということで代わりと言ってはなんですが、こんな切符を買ってみました。

(画像は盛大に加工しております)

な、なんだこれは!?

前回に続き無駄に煽ってそろそろ石とか投げつけられそうなので、次回はこの切符の説明です!